女の子たちは、主人公をほめる褒める。ほめちぎってくる。
だってそうだろう?主人公───いや、俺は、たとえ彼女らの運命がかかった作戦でも、立案、さらに指揮まで一人でさらりとこなしてしまう。
また時には、各アイドルを分析して彼女らに最も適したプロデュースを、通勤電車に揺られながらでも考えてしまうんだ。
そりゃあすごいよな、俺。安心感半端ないし、褒めちぎるよな。みんな恋だってするだろうよ。
でも俺は、本当は弱い人間なんだよ。君たちの前では全くそんな風には見えないだろうけど。
本当に馬鹿みたいに弱くて、そうやってみんなして褒めてくれるけど、むしろそれが気持ち悪く感じる。
実をいうと俺、何にもしてないんだ。スキルとか数字とか、何がどう作用してるのか知らないし、知らなくても勝ててるんだ。
でもそういっても、俺には結果があるから、大量の実績があってしまうから、天才だってまた言うんだろう。
ああくそ、なんでお前らはこの世界にいられるんだ?俺がやってないことばかり褒めてきて、恋に落ちてくる。
はっきり言って頭おかしくなりそうだから消したよ。
主人公との境目を限りなくして、俺を間接的に褒めて気分を良くしたいんでしょ。
なんて邪推をして台無しにしてしまうぐらいには、冷静でいられないんだ。怖いんだよ。
それともお前らは、褒められることに慣れている、当たり前の人間だったのか?
俺は、恋愛も本当好きだけど、でも最初はお互いちょっとずつ触れ合いたいんだ。
一生ついていくとか、あなたのために歌うとか、そういうんじゃなくて、まずは「ありがと」ぐらいがいいんだ。そしたら俺も「ありがとう」って返すから。
いや、選択肢で「黙って額にデコピン」とかあってもいいな。多分俺はそっちを選ぶよ。ほめられるのは苦手なんだ。