1998年、冬。ぐうたらで平凡な高校2年生、折原浩平は代わり映えのない退屈な日常を過ごしていた。毎朝起こしに来るおせっかいな幼馴染の長森、そしていつもふざけている悪友たち。何か変わったことがあるとすれば、偶然、そしてなぜか立て続けに個性的な女の子達と出会い始めたことぐらいだ。とはいっても、彼女たちの出会いもオレにとってはありふれた毎日の出来事で、日常に組み込まれていくはずだった。
「もう一つの世界」
不意にオレの中に生まれたその世界は、それはいつの間にか地面を濡らしていく雨のように、ゆっくりと日常を埋めてゆく・・・。

NEXTON Tactics 1998
ONE ~輝く季節へ~
fanza販売ページより引用あり
NEXTON 1998/05/29~(ver違い多)
ジャンル不明
シナリオ 久弥直樹 麻枝准
原画 樋上いたる
主人公を除くフルボイス版あり
対応OS Windows:XP/Vista/7/8(初回版 95/98)
ダウンロード通常価格:2880円(sale1440円)
駿河屋参考価格:6380円(初回版 16,500円)(記事作成時)
Windows11にて動作
修正パッチ:あり (パケ版はほぼ全て?)
絆を、そして大切な人を
初めて求めようとした瞬間。

絵はやっていくうちに慣れます
「ONE~輝く季節へ~」(以降ONE)は、Tacticsより心に届くADV第2弾として発売されました(第1弾は「MOON.」)。
その後制作スタッフはTacticsと対立、独立し、keyを立ち上げることになったそうです。tacticsからしたらたまったもんじゃないでしょうね。2作作ってようやく体制ができてきたと思ったらそのノウハウを全部持っていかれたんですから。それはそれとしてtacticsはONEをこすりすぎ。
余談としてONE発売の1年前、1997年ににLeafから「ToHeart」が発売がされていまして、このToHeartの影響が本作だけでなく90年代後期の作品全体に大きく与えた、と言われています。VisualNovelそのものの、大きな進化と競争が生まれていったその渦中を代表する一作の一つとして挙げられることが多い本作ですが、残念ながら僕はその時代にエロゲに生きていなかったので過去の資料から分析することしかできません。というかToHeart、およびそれ以前のVNをやってないのでどうやっても薄っぺらい話にしかなりません。なので本記事としてはONEの歴史的意義、影響については意図的に除外し、感想だけを書く方向で行こうと思います。正直どのサイトを調べてもToHearの名前が出てくるので見当違いのレビューになりそうなんですが仕方ない。というよりこんな記事読むくらいなら各所の先行記事を読んでください。1234いやほんと。「「ONE」の感想」そのものがコンテンツになるくらい分析、解釈、考察がなされています。すっごい。今後ToHeartをやったらその違い程度は書こうかな…。

以前MOON.の記事でkanonの話をしたときにも触れましたが、このゲーム、会話がものすごく面白い!これはもう奇跡といって差し支えないレベル。漫才のように小気味良く進んでいく世界にプレイヤーはぐいぐいと引き込まれてしまう。幼馴染の女の子、長森が毎朝甘ったるい声で起こしに来てくれます(これはフルボイス版を遊んだ人の特権)。それに主人公がもっと寝かせろだの遅れたら長森も悪いだのブーブーいうんですが、この会話がもう面白い。毎朝、退屈な日常の象徴のようにこのイベントは起こりますが、毎日面白いんです。異常ですよこれ。どうなってんの???

今では絶滅した毎朝起こしに来る幼馴染
主人公の浩平。こいつがいい味出してます。今までやったゲームの主人公の中でも一番面白いやつかもしれない。イジワルでお調子者。物語の主人公としてはあまりにも飾りっ気のなさ。幼馴染に対してぶっきらぼうなだけかと持ったら大間違いで、例として今朝曲がり角でぶつかって出会った転校生(この設定もベタベタ!)の髪の毛を手首に括り付け(当然無断)、眠気防止センサーに使います。

束の間、ぶちぶちぃっっ!!!と引きちぎられる髪の毛。
即落ち2コマのテンポ感を面白さを保ったままプレーヤーに浴びせ続けます。女の子達を犠牲にして。
その後廊下に呼び出されて怒られた後も、周りの男子に「告白された」「最初に吸うならどの銘柄のたばこがいいか相談された」なんて言いふらしてまた怒られる始末。わ、悪ガキィ~!
ヒロインたちも個性的ですが、主人公のキャラクターが強すぎて張り合ってしまえます。ギャグばっかりしますがなんでこんなに面白い?特にというかもちろんというか長森に対してあまりにも遠慮がなさすぎる。たまに早く起きたと思ったら当然のように一人で学校に行きますからね。長森が起こしに来るってわかってるのに!5
その幼馴染との距離感が、ぶっきらぼうさが、後に長森瑞佳ルートに深く関わっていくのですが、それは後述。
そしてこの会話が、日常が輝けば輝くほど、もう一つの世界、「えいえんのせかい」の描写が、漠然とした恐怖としてプレイヤーに印象付けていきます。そしてえいえんのせかいを意識すればするほどさらに日常を求めて、そして輝きを増して目に映っていく。文章の地力があるから成立してしまうあまりにも強引な設定の押し付け方ですよこれは。「えいえんのせかい」について書けばどうしてもネタバレが避けられないので分けます。というか頭が痛くなるからあんまり考えたくない(^ ^;
以下レビューまでネタバレ注意「もう一つの世界」について所感
「えいえんのせかい」は結局、何かはよくわからんがとにかくやばい世界としか言えないです。定期的に浩平の夢の中で心理描写でもなく哲学の世界というには幼い回想?が出ますが、もうよくわからないとしか…。生まれてすぐ海にぼとぼと落とされる羊君たちカワイソス(´・ω・)

と続きますが、このぼくは浩平かもわからん
当然キミもだれか分からん
話もさっぱり分からん
寝落ちした授業の続きを聞いてる気分です
というかゲーム側が説明する気がないというか、幸せな日常のひび割れのようなもので。説明をプレイヤーに与えるよりも、日常の対比とゆきおとの過去、キミと呼ばれる謎の女の子、あとは長森との過去のすり合わせが常にどちらかの一方的なものだという地味~な違和感。このバラバラなピースをプレイヤーに投げて各々解釈しろって感じなんでしょうか。

「死」の代替演出として使われてるに過ぎないと一蹴するのは簡単ですが、過去に「永遠の幸せで退屈な日常を求めた少年」である浩平が受ける苦しみとしてより妥当に相対させられる。作品テーマからしては、この浩平君に対する仕打ちとして必然なものといえるかもしれません。長くなってきたのでこの設定が物語の役割としてどうだったかについては割愛。後の俺、頑張ってまとめてくれ。
*追伸
おそらく、この記事には前半と書かれているでしょう。というのも個別シナリオの感想でキャパを超えました。ゲーム自体は2日で終わったのにこの記事に何週間もかけすぎて、情けないことに自分が何を言っているのかわからなくなってしまう事態に。
とはいえお蔵入りさせるのはもったいないので前半という形で公開します。なので最終点数は出ていません。
個人的評価
合計XX点6
お勧め度 未定
以下各項目解説
イベント
点数8/8 個別点5 合計13/10
いやもうめちゃくちゃ。カウント不可能。多すぎます。イベントを洗い出して個別点付けるかどうかなんて一つ一つ考えていくと一日終わります。浩平君ふざけすぎ。イベントに絞っていくと全部面白いんですけどこれ…。
キャラクターと会話が良かったら自然とイベントってのは面白くなってしまうことに気づかされました。この項目の存在意味を疑ってしまう事態に。7
総評
全体点数としては満点の8点。この「ONE」の話って主人公の浩平君にとっては目標がないまま始まり、学園生活の中で普遍的な出来事や会話を通してこの世界と、そしてヒロイン達と関わっていきます。漫才マシマシで。
ただ、そのコミカルである種搦め手のようなエピソードの積み重ね方の中に(これだけでもめちゃくちゃ面白いですが)、ある意味真反対である“主人公とヒロインの小さな共感”や“秘密の共有”という、ギャルゲーとしてオーソドックスな手法(少なくとも現代では)も裏に交えていきます。ここの組み合わせ方がすごくうまい。コメディの良さは前置きでも話しましたし、総評としてはその裏について。
例えばヒロインの一人である里村茜(以下茜)との昼食イベントでは、ある出来事から浩平が茜の行動に関心を持ち、彼女と昼食を一緒にしようとする場面が描かれます。浩平は茜に近づこうとするが、茜はそれを避け中庭へ逃げてしまう。
しかし浩平は、冬の中庭で「寒い」「今日は特に寒い」「雪になるかもな」なんて文句を言いながらも茜についていき、結果として二人はそこで昼食を取ることになります。8茜は浩平に対して冷たい態度を崩さず、会話もそっけないもの。日が変わっても無言で食事をする茜とパンをかじる浩平。「朝は苦手」だとか「弁当作るなんて大変だなぁ」なんてありふれた話題を投げかけるだけです。「ONE」ではむしろ異色ともいえる、静かで、淡々としたくだらない会話が流れていきます。

それでもプレイヤーは退屈と感じないのはなぜなのか。そこには、あの雨の日の出来事があり、中庭がいいと言っていながらも本当は上着をしっかり合わせて震えている茜の姿があり、普段とは少し違う浩平の落ち着いた態度がある。そして何よりも茜のCGが持つ少女性と儚さが重なる。これらすべてが、冬の中庭という空間に集められた細かな要素によって生まれまるからと思います。
そうした会話にだんだんと感情移入し始める中で出てくる、「…納豆は入っていません」「私も嫌いですから…」というお弁当のについての話。このやり取りは、内容だけを見れば本当にありふれた日常会話です。しかし、それまで茜が浩平を拒むような態度を取り続けていたからこそ、そこで生まれた”主人公とヒロインの小さな共感”と、そして茜の1ドットの表情変化が、いつしか浩平に感情移入していたプレイヤーの心をつかみます。
次の日からも「う、うまいぞ、今日のジャムパンはっ」なんてくだらないボケも当然スルー(長森なら「また馬鹿なこと言ってる…」なんて突っ込んでくれる絵が想像できます)されますが、それでも二人の間が、少しだけ変化していく。この曖昧な距離感の揺らぎがいいんです。
総評としてはここまで。「もう一つの世界」のイベント自体の是非は逃げさせてください。あれはああいうものだと受け入れましょう。氷上シュンが新情報しか喋らんので余計たちが悪い。

個別点
多くなりそうなのでヒロイン毎に分けます。長森が悪い。
「コミカルな展開」を書けと言われてこのレベルがお出しされていくの狂ってる。
なるべくネタバレにならないよう努めますが、初見プレイこそ至高だと僕は思うので未プレイの人はスルー推奨。
簡単なコメントしか書いてないので見なくても構わないです。
ただの一項目で総評と個別を書く必要が出てくるのほんとにムチャクチャしてる…。
長森
12/4 登校
オレは長森が机の並びを整頓している間に、チョーク箱の中のチョークをすべてポキポキとへし折ってやる。
12/22 登校
浩平「雨か…。古傷が痛むな」
長森「なに、古傷って」
浩平「知らなくても当然だろうな。おまえはあの頃小さかったからな」
長森「同い年だよっ」
もう完全な漫才w
12/23 登校
「だよ」「もん」なんて口癖はザ・ギャルゲーって感じの設定(古典)なんですが、そこをいじるのはある意味メタ的なような。暴言でしかありませんがw
あと、ここの美男子星人の話は一番笑ったかもしれないw9
12/10 12/11 七瀬と一緒に食う
七瀬
12/1 部活訪問イベント
天丼ネタですが面白いw
浩平「茶道部?お前は豪快に、ごが~っ!って一気に飲み干しそうだ」
浩平「そうだな、牛乳部に行け」
七瀬「一回死ね、アホッ!」
12/3 女子人気投票に燃える七瀬の漢字テストカンニング作戦
この無茶苦茶な流れが好き。
これでいいのかよ七瀬w
里村
お昼三回目
前述したので省略
クリスマスパーティ

個人的に一番好きなイベントです。だって高校生10がぐびぐび酒を飲んでるんですもの。今では考えられない!冷蔵庫開けて、「お、(お酒)たくさんあるぞ」ってノリで宴会が始まるのほんと笑うw
でも創作だし、18禁とわざわざ言っているんだからいいんじゃないですかね。むしろ今の時代がおかしいんですよ(過激派)。彼らはささやかなクリスマスパーティを楽しそうに騒いでるだけなのに、誰に止める権利があるのでしょうか。警察か?別に人に迷惑をかけるわけじゃないんだし、未成年飲酒もこれぐらいでいいのかななんて思ったり。未成年だった頃に読めばよかった。でもその時ならエロゲやっちゃダメか…。
以上個別項目8箇所(アホだろ)
合計点8+1*2+0.5*6=13点
13点
13点
13点…
軽く再プレイしてこれなので、他の全分岐もやればさらに増えそうですが、もういいでしょう11。これ合計点いくらになるんだよ…。みさき先輩はイベントというより会話の項目かなと思ったのでそっちに移行。澪は喋れないし繭も似たようなもんです。うーん適当さじ加減。
テキスト
点数8/8 個別点2 合計10/10
全体点数としては満点の8点。文章がうまい!もっと点数をつけたいぐらいですが、残念ながら僕の理解力が追い付かない。僕のテキストレビューなんてこのぐらいのレベルなんですよ。前記事のエロゲがおかしかっただけなんです。
総評
雨や風が人との距離を示す働きをしていたのが多かったのが印象的でした(国語の問題みたい?)。特に茜とみさき先輩周りで多かった。
あと夕焼けの描写。これもいい。いいよね。いい…。
みさき「…今日は、どんな赤かな?」
オレもつられるように視線を上に向ける。
不意に飛び込む赤い世界。
一面の赤。
だけど、一色じゃない。
様々な赤。
形も様々。
すべてを浸食するように。
空に浮かんでいた。
2/3 屋上より引用

綺麗な夕焼けです。懐かしさ、美しさを想起させると同時に、日が暮れるという幼心地に訴える怖さ、そして「えいえんのせかい」という現実に迫る恐怖をも否応にも意識させます。この空間のすべてがこの世界の儚さを演出し、端的な、詩のようなテキストがこの世界を受容することを強制する。これを良いテキストといわずしてなんて言えばよいのか。
余談ですが、この真っ赤な夕焼けの下で先輩が浩平君に夕焼けの点数を聞くシーンが最高なんです。「夕焼けじゃなくて先輩に会いに来た」と言われてから、「でも、同じくらい綺麗な夕焼けだ」と言われてから…。12
他の子は特別テキストに関して感じた記憶はないんだけど、茜とみさき先輩周りだけなんとなく印象に起こってます。
空き地での茜との間の雨なんてずっと描写されるのにくどいどころか世界に吸い込まれてしまう。

そのあと後ろを向いてから「何点?」って尋ねるところも…
話が会話に寄ってきたので個別点の話に。
個別点
ベストテキストについて
ベストテキストはやっぱりこれかなぁ。またみさき先輩シナリオからになるけど。でもいいものはいいからなぁ。
ネタバレ当然含みます
2/17 みさき先輩シナリオより引用13
「もう一つの世界」が生まれ、由起子さんから不審がられ、長森が忘れたことを確認してしまった後です。
家に帰らないと…。
そして、由起子さんに会うんだ…。
もう、あの人しかいないから…。
浩平 「 …… あ」
ふと、足が止まる。
真っ赤な光の射し込む窓。
四角くて赤い影。
浩平「…今日は夕焼けか」
明日は、いい天気だな。
浩平「 …… 」
無意識だった。
オレは半ば操られるように走り出していた。
…あの場所へ。
…あの人と出会った場所へ。
……
浩平「……」
普通は使うことのない屋上へと通じる階段を登り立入禁止の掲げられた扉の前に立つ。
外へと繋がる扉のノブを握り、冷たい鉄の感触を確認するようにゆっくりと回す。
かちゃっ…。
浩平「 …… 」
そのまま、押し開ける。
夕焼けの赤に彩られたコンクリートの上に、フェンスの影が複雑な模様を形作っていた。
まるでそこが全く別の世界であるかのように存在する空間。
そして、オレはその空間に足を踏み入れる。
オレの存在も赤に染まる。
傾いた夕日の光を手のひらで遮りながら、ゆっくりと歩く。
その先にいる人。
夕焼けに染まる人影。
屋上から広がる景色を眺めるように、フェンスにもたれかかるみさき先輩。声をかける
声をかけない
忘れられていく焦燥と諦め。でも本当は先輩の記憶を確認するのが何よりも怖い。そりゃぁそう。だって毎朝起こしに来ていた長森にさえ他人の対応をされたんだから…。
そんな中で、夕焼けの光が見える。足が止まる。「明日は、いい天気だな。」も、ただぽろっと出た感覚でしょう。(ここは明言されていないので想像ですが)
でもそこから、プレイヤーに思い出が、記憶が、思いがあふれていく。だって、初めて会ったとき、みさき先輩が「夕焼けの次の日が晴れって迷信らしいよ」って言ってたんですから…!そして浩平君の足は屋上へ向かう。走る。この臨場感がたまりません。14
そしてドアを開く。やっぱり怖い。屋上でいつも何気なく見てた夕焼けが別世界に感じるほどに。少し前までは点数なんてつけてたぐらいなのに。そして浩平君自身も赤く染まって、先輩に向かっていく。マウスのクリックごとに流れるこのテキストは、一定のリズムを保ってこの世界をプレイヤーに飲み込ませます。読んでいて息が詰まりそうになります。
そして視界に出てくるみさき先輩。緊張感はピークに。
そして、「声をかける/声をかけない」の選択肢をプレイヤーに突きつける。
もう最高。
そりゃ声をかけないを選ぶことなんてありえないですよ。でもここでプレイヤーに選ばせていく。ここは、ここだけはマウスのクリックだけで進ませることを許さない。今までは浩平君が当たり前にやっていたことを、ここではプレイヤー自身に選ばせる。僕らは読者ではなくプレイヤーなのです。
「声をかける/声をかけない」は「えいえんのせかい」との現実での直面でもあるかもしれない。「ほんとうの温もりはそこにあるはずだったんだからね。」15と浩平君は夢の世界、いや、みさおと別れてからこの町に至った時にも気づいていたのですから、「ぼく」にとっても声をかけなくてはならないのです。「その先にいる人」に、「夕焼けに染まる人影」に、恐怖を乗り越えて!
本当、いいテキストです。特に最後。実際のプレイ中はテキストを楽しむ余裕がないですが、それは贅沢な悩みです。「ONE」の物語はビジュアルノベルという媒体で最も効果的に働くよう設計されているように思えてしまう。小説と違って、ビジュアルノベルは今読んでる部分の先を知るためには、クリックしてまた新たなテキストを読むことでしか得られません。なので息が詰まりそうになる。終わりがわからないというプレッシャーが、そして流れ続ける美しい音楽が、今のテキストウィンドウにある文字を、この瞬間を、プレイヤーに読ませるのです。

そしてこの背景、みさき先輩のCGについても言いたい。テキスト評じゃないけど言いたい。この画のすべてが完成されています。「ONE」のいたる先生の立ち絵が、ほんとすばらしい!粗削りというか、この「儚さ」が「ONE」と嚙み合ってます。それはもう奇跡といっていいぐらいに。
そして、この「選択肢」が、『ONE』というゲームそのものの面白さにもつながっていきます。個別点もう一つ。
「選択肢」について
このゲーム、ほんとに選択肢の使い方も面白くて。さっき感情移入のさせ方が良いなんて言ったばかりですが、実のところこのゲームはプレイヤーに感情移入させたいのかさせたくないのかわかんないというね。ギャルゲーとしては珍しいんじゃないの。目隠し系とは真反対の位置にいるぜこいつ。
少なくともここ20年のギャルゲーのほとんどは、プレイヤーは大抵自由自在に好きな子のルートに入れます。言ってしまえばその子の名前が書いてる選択肢に、その子がよくいる場所に行けばいいんですから。好感度を下げる選択肢を選んだり、シナリオを無視して面白そうな選択肢を選んだり、他の子にうつつを抜かしたりすればBADENDに行く。ギャルゲーってのはある意味めちゃくちゃゲームをしてます。正しい選択を選び続けるのが正しいという共通の了解が貼られています。プレイヤーにどの選択肢がどの子にかかわるかご丁寧に教えてくれるゲームもあります。だってギャルゲーってのは恋愛アドベンチャーなんですから、目標に恋愛を掲げるのならそれがあるべき姿となるのはある意味必然です。

各選択肢ごとに誰の好感度に関わるか示されている
2014(C) 暁WORKS
しかし「ONE」においてはどうでしょうか。その「お約束」がまぁ通用していない。そもそも通そうとしてないのがわかります。ギャルゲーに慣れたプレイヤーには至極簡単なものからただのおふざけ。選択肢の文言とは真逆の結果になったり、自分の意志とは異なる選択肢を選ばないと即BADENDになったり。中には運でしかないのにシナリオにとって必須の分岐が発生するものまであります。

しかし、朝起きるのを粘ったのも自分です。屋上まで本気で勝負したのも自分です。三人のチアガールによって一団を壊滅させたのも自分です。繭に優しく接するよう決めたのも、罰ゲームの告白の相手を長森に選んだのも、演劇部のことを考えたのも、左を選んだのも…。
この世界はプレイヤーの判断から様々な世界を見せてくれます。それを望んだかどうかは関係なく。
プレイヤーの選択肢を評価されることは決してありません。当然と言えば当然ですが、この凶悪な選択肢にまみれたこの世界ではそれはプレイヤーを厳しく突き放してるようなものです。
ギャルゲーなら本来は分かりやすく整理されているはずの選択肢に、ある種現実16みたいな不確かさを混ぜてくるのは驚きでした。昔のゲームって意外とみんなこんな感じだったりするんでしょうか。
この変化は、ギャルゲーにおいて、「何をするか」よりも「誰と過ごすか」が重要視されていった結果のかなと邪推してみたりして。
ギャルゲーのキャラゲー化ですね、いいか悪いかなんてものはなくて、求められるものが変わったのかもしれないし、考えすぎかも。でも私はこっちのほうが好きです。
主人公をどう動かすか、この先に何があるのかワクワクするのだもの。
シンプルに 「abcの三人が○○しました。どの子を選ぶ?」とかみたいな選択肢はいっぱいあるのがギャルゲーという市場ですがね、ショージキ萎えるんですよこういうの。合コンやってんじゃねーのよこっちは!
そんな背反で未来が変わるのとか考えたらアホらしくなってくる。現実はそっちのほうが案外近いのかもしれないけどさぁ…。
そんなん望みの女の子がいる場所に行き続けりゃいいだけなんです。親切だよ?でもなんつーかセンスがないというか。プレイヤーという双方向からのアクションができるのがゲームという媒体の大きな強みなんだよ。プレイヤーの選択で不安を直に与えられるのがゲームの持つアイデンティティだと僕は思う。
今いる世界線が、本当に目の前の女の子にとって一番いいのかわからない。今の自分が、彼女にとって、彼女たちにとっていいやつでいられているのかわからない。僕はエスパーじゃないから。あの時、あの分かれ道で右を選んでいたら、もしかしたら今とは全然違っているかもしれない。でも、少なくとも今、目の前の子は楽しそうに笑ってくれている。
大きく動く話はまだ見えていないけど、本来はもう始まっているのかもしれないけど、でも、笑ってくれているのならこれで、これがいいのかもしれない。そもそも、いいやつなんかじゃなくったって…。彼女が僕に、いいやつであることを望んでいると思うのも、こっちのエゴなのかもしれない…。

fanzaより引用
あぁ、柄にもなく悩んでしまう。でも、それ以上に楽しいんだこのゲーム。
このバランスなんて少し崩れたらぶん投げられるのは明確で(実際ぶん投げた人もいそうですが^ ^;)、ここで「ONE」はノベルゲーの仕組みを利用してきます。ノベルゲーがほかの媒体と決定的に違うのは複数回の周回が当たり前としてユーザーに受け入れられている点にあります。一度選んだ選択肢の結果に違和感を持ったなら、次別のものを選ぶことができる。そこに至る道の歩き方を変えることができる。
そして慣れていったプレイヤーに対し「この世界の裏切り方」を強制するシナリオが立ちはだかるんですけどね。天才か?やってるほうはたまったもんじゃないですけど!
以上。個別評2点。
キャラクター
点数7/8 個別点3.5 合計10.5/10
全体点数としては7点。追加点は3.5で。浩平、ヒロイン達は長森、みさき先輩、茜に点数を。
解説はシナリオレビューで。中身被るものあれなので、全部そっちで。
サブキャラクターとして出てきたときの澪もめっちゃ好きなんだよなーでも。入れちゃうか。
逆に七瀬のキャラクターはさすがに古い^ ^;これはもう仕方ない。繭もヒロインとしては見れなかったなぁ。「キミ」はキャラクターなのか?
浩平だけはシナリオ評に書けないのでここに書きます。
折原浩平
面白いやつです。全キャラクターの中で一番好き。未プレイの方はさっさと遊んでください。こいつ、ほんとにアホですよ。ほんと余計なことしかしない。17長森との会話もどこまで本気なのか…。そして七瀬ルートで嫌がらせをするクラスメイトに対してのあの態度もまた浩平君の一面なわけで。ああいうときにまっすぐぶつかれるのは主人公してる。
また、永遠の世界とこいつを切り離して考えることも不可能です。以下ネタバレ含みます。
ある意味6つあるこのゲームのルートもすべて折原浩平ルートみたいなもんです。折原浩平について整理してみると、家族をすべて失い、おばさんの家に居候しているもののおばさんとも特段交流があるわけでもない(ここが特になんか…生々しい!)。普段の言動からは想像できないほど悲惨な境遇。「永遠の世界」を望んでしまったのも妹の死がきっかけであり、そこまでボロボロにするのかというのが正直な感想。カワイソウダ。
でも、それでもプレイヤーは浩平君の一人称でこの世界を歩いていきます。最初は「なんだこいつ」と思っていても、ヒロインと向き合う過程の中で、いつの間にか浩平君の視点に乗せられていく。だって、なんだかんだこいつギャルゲーとしてのフォーマットにあまりにも律義に乗っているんだから。毎朝幼馴染と登校してるんだから!
しかし「ONE」は浩平君を主人公として安定した器に置いていません。やることなすことムチャクチャな浩平、ヒロインに向き合う浩平、「幸福な日常」を望み、過去の「幸福な日常」を思い出すほど辛い記憶に苦しむ浩平。この三面が本編では常にまじりあってこの主人公は成立します。本編では昼間の「オレ」の日常の下には、眠りの中で語られる「ぼく」がある。明るくアホな浩平君の下には、家族を失い、妹を失い、幸福な日常を失った浩平君がいる。つまりプレイヤーが乗っているはずの主人公自身に、最初から亀裂が入っています。そしてヒロインと向き合った後、「えいえんのせかい」が訪れる。そして今まで同一視でき始めた浩平君が消えようとする。こいつ急にセンチメンタルグラフティになります。普段の性格どこ行った!ここで完全に突き放されるんです。そして「工工工エエエエエェェェェェΣ(゚Д゚ノいや、なに消えようとしてるんだよ馬鹿!」って突っ込む側に再び戻される。そして事実浩平は消える。なんだよこれ!
もし浩平君がただの無個性主人公だったら、「これ死の代替演出だよな」で終わりです。もし浩平君がただの個性的なキャラクターだったら、「言いたいことだけ言って消えたぞなんだったんだあいつ」で終わる。でも浩平君はその中間にいます。憎たらし~。プレイヤーが乗るための主人公でありながら、同時に折原浩平というどうしようもなく面倒な一人の人間として描写もされている。だから彼が消えるときプレイヤーは浩平として消えることもできず、ただ浩平を失う側に回される。とほほ。急に死ぬな、急に。
そして最後の最後で語り手がヒロインに回るのもいい演出ですよね~。カタルシス爆発。ヒロインの中に触れて、浩平君を想う。初めて浩平君と他人として相対できるんです。誰かに想われ、待たれている人間として描写される。僕らの怒りも、「ヒロインにこんな思いさせてるんじゃねーぞ」に変わっていく。ヒロインを通して、クッションにしていつの間にか許す方向が変わっていく。ずるい演出!18そして再び浩平君に戻る。浩平君が帰るのはメタ的に言っても必然です。だって彼は主人公なんだから。僕らがそれを期待しているんだから!
そして彼はようやく、久しぶりに僕らの期待に応えます。いえ、僕らじゃなくてヒロインのためですねw
だから最後には、「茜の誕生日は今日なんだよ!行ってこい!」と、笑顔で檄を飛ばせるんです。イイハナシダナーって騙されてるのも自覚しながら。
まあ、いってしまえば「ONE」は二つの物語を一緒にして強引にまとめたようなものかも。「ONE」は二度刺す。
「ONE」全体の話になってる気がしますのでここで終わります。
以上、個別点。
シナリオ
点数8/8 個別点2.5/2 合計11/10
ここから各シナリオの感想になります。
私としては繭→澪→七瀬→茜→長森→みさき先輩の順でプレイ。
個人的には七瀬茜みさき先輩のうちどれかをなるべく最初にやったほうが飲み込みやすいと思います。システム的に澪が一番初めになる人が多そうですが、澪でもいいと思います。逆に僕の順番はお勧めしません…。まぁ、一番いいのは自然体でプレイするのがいいかと。
お気に入りとしては、みさき先輩→茜→長森、澪→他の順。氷上シュンはシナリオというより世界観の開放なので下手なこと書けねぇ。
お気に入り順に書こうと思います。ただし長森は例によって最後。お前だけなんかゲームが違うんだよ。
「えいえんのせかい」
先ほどは「えいえんのせかい」と主人公浩平君の話をしましたが、総評として「えいえんのせかい」そのものについて話そうと思います。先にこれを整理しないと各ルートの感想も書けない。共通ルートの楽しさは今までさんざん語ったのでもう書きません。
そもそも「えいえんのせかい」とは何なのか
*ネタバレしかないので未プレイの方はスキップ
…。
うあーーーん…
うあーーーーーーーんっ!
泣き声が聞こえる。
誰のだ …?
ぼくじゃない…。
そう、いつものとおり、みさおの奴だ。

「えいえんのせかい」はあきれ返るほどコミカルな日常とは対照的に、シリアスで、さみしい世界の様子がシナリオの合間合間に挟まれます。エヴァを彷彿とさせる精神世界のようなもので、一見さんお断りゾーンです。
「えいえんのせかい」についての考察なんかも、浩平の夢の世界説だったり、はたまた、逆に「えいえんのせかい」が現実であり、日常こそが夢である。なんてものがあったり。
当時は議論が巻き起こっていたようですが、残念ながら2026年現在では大部分が消失しているものと思われます。
諸行無常の響きあり。
「えいえんのせかい」はよく説明不足と評価されますが、僕はこれ自体が問題とは思っていません。
むしろ、ある意味では説明されないからこそ怖い。何かはよくわからんが、とにかくやばい世界が浩平を呼び始めた、ということぐらいしか読み解けない。この不透明さが、えも言えぬ不安感を煽るのです。
問題は別で、この「日常の世界」と「えいえんのせかい」の関係が隠されすぎている。
そもそも『ONE』は、「えいえんのせかい」を一周目や二周目で理解させようとは作られていません。
これを僕は問題にしたい。さすがにやりすぎだと思う。プレイする順番によっては、クライマックスに乗り切れない事態が起こるんです。キャラクター項でも言いましたが、プレイヤーと物語のギャップについて。
過去に「えいえんのせかい」の存在を望んだときから、浩平の中には「えいえんのせかい」の胎動が始まります。
ゲームスタート直後の独白は時系列上特殊なので省きますが、基本的に夢の中でキミとの対話からプレイヤーは「えいえんのせかい」の露出を受けます。しかしこの辺の抽象度が高く、その上、時間軸も不透明。初見だと意味の分からんポエムにしか感じません。

帰り道。茜と別れた後、折原浩平はふと一人になった時に自分が消えることを予感し始めます。
さっきまでふざけ倒してたやつが急に夢の中限定の話なはずのわけわからんことを言い出すもんだから恐怖ですよ。
神のような存在の人たちの会話のように受け取っていたものが、だんだん日常という現実を犯し始める。
何かはよくわからんが、とにかくやばい世界が浩平を呼び始めます。
偶然、そしてなぜか立て続けに個性的な女の子達と出会い始めた浩平は、ヒロイン達と交流の中でかけがえのない日常を感じ始めます。その裏で「ぼく」は自分が望んだはずの「えいえんのせかい」をだんだん蔑み始める。「えいえんのせかい」をキミと旅していたのに、「キミ」は「ぼく」に寄り添い続けていたのに、いつしかこの世界にイジワルをし始める。

このせかいは「キミ」があの時の「ぼく」のために作った世界です。その「えいえんのせかい」が自身にとってはもう矮小なものだと感じ始める。
それが拒んだはずの「みさおとの過去」を思い出し、「キャラメルのおまけなんていらなかったんだ」につながる。
ぼくが求めていたのは「えいえん」という特別な場所ではなく、本当は壊れてしまうからこそ大切だった日常そのもの、キャラメルだったという結論に至ります。
そして「ぼく」は「えいえんのせかい」を拒絶し、キミとの約束を捨てようとする──。
これにより帰還が成立します。キミは裏切られるのです。その際、初めてキミの姿、「みずか」がプレイヤーの前に現れます。キミは幼いころの長森の姿のまま。オレを救ってくれたあの言葉を言った時の長森の姿で…。19キミはあの頃の長森の姿をしているけど、長森でなく、あの頃の長森の姿でえいえんをつくった、逆に言えばあの頃に作ったからこそ、あの頃の長森の姿のまま永遠に存在するのです。
「えいえんはあるよ」が、あの頃の浩平を救ってしまい、「キミ」との盟約となったのです。
「キミ」は魔法使いの王子様であり、長森でもなんでもないのです。
そう、「えいえんのせかい」は現実の浩平に干渉し、さらに、現実のヒロイン達との交流、「絆」の実感が「ぼく」に影響も与えます。ループのような構造になっているのです。これはあまりにファンタジー!コミカルな日常にプレイヤーが埋没するほど、この構造は隠れるのです。20
…。
……。
が、こんなもん読み解けるわけがない!
というかこの解説も自信ない!
このように、「えいえんのせかい」を理解するためのパーツは揃えられているのですが、さすがに複雑、周回前提すぎる!
「えいえんのせかい」が単なる死別としてのギミックならこれでもいいですよ。でもこのギミックは物語に組み込まれすぎています。
プレイ中の僕の頭は?だらけですよ。
「キャラメルのおまけなんていらなかったんだ」と言われたら遺品のカメレオンのおもちゃのことかと思うし、
「キミ」=子供のころの長森だったの!?「長森魔法使い説」なんて勘繰ってしまいます。
もう答えが欲しくてほしくてたまんないんですよこっちは。
で、その混乱が僕のプレイ順では初プレイの繭シナリオで最悪の形で出ました。
繭シナリオのエピローグでは、復学しても結局学校でいじめられます。現実は厳しい。
それでも通い続ける繭。この繭の成長には思わず涙が出そうになる。日記帳の書き方も心に来るわ。いい演出。友達ができてよかったね。お母さんの膝で泣けて良かったね…!まだ言葉は幼いままですが、顔はもう前を向いています。僕は心から祝福を送っていました。一人モニターの前で。(長森のやさしさもいいよね)
繭はもうあの頃の繭じゃないんです。転んでも前を向けるんです!よかったな、浩平…。なんて思ってると浩平、帰還します。
____
「工工工エエエエエェェェェェΣ(゚Д゚ノお前帰ってこれたの!?」
余韻ぶち壊しですよマジで。先ほど、「「ONE」は「えいえんのせかい」を一周目や二週目で理解させようとは作られていません。」なんて言いましたが、これがかみ合い悪い!
途中繭のカレシについて友達と話すシーンがありましたが、あれだけだと薄いって!二週目以降なら想い続けていた描写としてわかりますが、こっちは繭の成長に感動している最中なんです。「浩平、いい奴だったよ…。」ぐらいの気持ちです。
そして衝撃をもたらしながらスタッフロールに。こうなるともう頭は繭どころではない。

「えいえんのせかい」って一年間服役したら釈放されるんか?キミに落とし前でもつけてきたんか?

壮大な舞台装置を使って別れた後に、それでも主人公を想い続けるヒロイン。それに呼応するように帰還する主人公───。「ONE」のラストには、表面的にはこの図式が用意されえています。この図式はご都合主義もいいところですよ。でもヒロインは想い続けたんだから、「奇跡」が起こってもよいだろうと思えるのです。「納得感」が大事なんですよ物語には!納得できる理由ではなく、あくまで「納得感」なんです。

物語には納得感が必要なんです!
だから問題は、「えいえんのせかい」に説明がないことではないんです。説明がないままでも、物語中に納得感があればいいんです。
問題は、ルートによってその納得感の出し方に差がありすぎることで。七瀬茜みさき先輩長森のようにヒロイン側の想いが見えやすいルートなら、浩平の帰還を飲み込める(澪は微妙なところですが、別れシーンが良すぎた)。
でも、繭を先に通ると、そこで必要なはずの納得感が薄いまま、いきなり帰還だけを見せられるわけです。こいつ自立してるやん!
これも七瀬茜みさき先輩長森のうちどれかを先に見てれば何となくわかるんですよ。帰還には「絆」21が重要って。でもこの順番だとわからん!クライマックスも納得できない。
「えいえんのせかい」を一周目や二週目で理解させる気がないなら、ある程度の仕組みがお披露目されるシナリオに行きやすくしてほしかった。何なら特定の子をストーキング22してない限り初回は大抵繭と澪に行きつくような構造になってるのがなおさらタチが悪い!
うん、これ総評というより繭シナリオへの文句だな!
しかもこれ繭シナリオを最初にやった時ぐらいにしか起こらない混乱だし….。
なのでここまで言ってなんですが総合点は8/8。
結局満点です。
逆に言えばこれぐらいしか批判するところがないんですよ。こんなんで減点するのはなんか違うっていうか…。この項を書く前は減点する気満々でしたが、何度もプレイするうちに悪いのは自分のように感じてきてしまって。ある意味たちの悪いことに「えいえんのせかい」は面白いことに気づいてしまった。減点なんてできないよ~。
これより各個別シナリオについて感想、の予定でしたが、まとまらなかったので後日付け足そうと思います。ごめんなさい。
- 『ONE』について ↩︎
- アシュタサポテ :: 過去の日記 :: 2000-04 ↩︎
- エロゲカウントダウン ↩︎
- 競馬サブカルチャー論・第18回:馬と『ONE〜輝く季節へ〜』その1〜えいえんはあるよ。ここにあるよ。〜 – MilkyHorse.comの馬法学研究会 ↩︎
- 浩平「どうして先に行っちゃったのよ …… とか言われそうだよな」
長森のふくれた顔を思い浮かべながら、傘をさして步く。
とはいえ、別に一緒に登校する約束をしてるわけでもないしな。
何となく言い訳しながら、空を見上げる。
浩平「今日は全国的に雨、そして北海道では雪、か…」
12/3 朝 より引用 ↩︎ - わかりずらいですが、白背景の項目は5点満点、青背景の項目は8点満点で追加点ありという仕組みです。
追加点ですが特記個所1項目につき1点追加。2点を超えたら1項目0.5点として加算されていきます。4項目突起箇所があれば、2+0.5*2=3点となります。つまり図では各青項目は10点が満点のようになっていますが、10点を超えることもあります。10点以上でソフ倫シールを貼ります。なんかおめでたいからです。全体でも100点を超える可能性はあります。特定箇所だけ抜きんでているタイプの一点突破ゲームに対する措置としてこうなっています。
↩︎ - 再走して、バックログからイベントをチマチマメモってると何が面白いのかわかんなくなってきた。イベントって共通シナリオの評価と何が違うのか考えないとだめですね。物語の主題とは関係のないシーンをシナリオとは別で評価できないかと考えたのですが、厳密な違いの定義すら難しい。というか最初から登場して幼馴染だから浩平に対し個性の紹介も不要で最初から話せる長森が強すぎる。それでいて毎朝起こしに来てそれが面白いんだからもう無敵か?この採点方式だと長森とその他5人の少女たちになってしまうぞ。ONEって長森単独ツアーって意味だったのか?
4/25 ただの個人メモ ↩︎ - 浩平「おい、里村」
靴を履き替える里村を、下駄箱で呼び止める。
茜「 …… 」
振り返って、無言でオレの姿を確認する。
浩平「もしかして、また中庭で食うのか?」
茜「はい」
浩平「なあ、学食にしないか?」
茜「…どうして?」
浩平「寒くないから」
茜「中庭の方がいいです」
浩平「…どうして?」
茜「人が居ないから」
浩平「…そうかあ…」
茜「 …… 」
再び無言で下履きに履き替えると、弁当箱を胸元で抱えて、そのまま表に出る。
オレもあわててその後ろ姿を追いかける。
浩平「今日は特に寒いよな」
茜「 …… 」
浩平「雪になるかもな」
茜「 …… 」
オレの言葉をすべて無視して、この前と同じ場所に座る里村。
オレも同じくその横に腰かける。
12/4 昼休み(一部省略) ↩︎ - 浩平「美男子っ、う一、美男子、美男子、美男子、はあ一っ美男子っ、まったく美男子だ」
浩平「これでオレは「美男子星人」だっ」
長森「でも美男子星出身ってだけで、浩平自身は美男子じゃないかもしれないよ」
浩平「ばかっ、美男子星出身だったら、誰もが美男子なんだよっ」
12/24 朝 ↩︎ - 詳しくは「高校生活」に限りなく類似した学園生活です。そういうことです。 ↩︎
- 10点どころじゃなくなりました。すみません。採点方式が崩壊寸前です….。こんなリスト化しなきゃならないほど会話に力入れたゲームを想定してなかったのは謝るよ。でもこれはあくまで一点突破タイプのゲームのための措置で、ほかの点数も取れるやつのさらなる荒稼ぎに使われるとは思ってもなかったんだよ。採点はいつも「イベント」から始めるのでこれが最初の採点項目なんです。もうやばいよどうなるんだよこれ。イベント評書くだけで土曜日全部潰れたし…😇。
4/25 ただの言い訳 ↩︎ - でもこれテキスト項目評価というより会話項目ですね。脱線してる。 ↩︎
- 最初の数行だけ中略してます。引用が長くなっちゃってすみません。でも途中で切るのもおかしくて…。引用の範疇として何とか許してくださいtacticsさん。 ↩︎
- 実際にみさき先輩が「夕焼けの次の日が晴れって迷信らしいよ」って言ってたことを浩平君が思い出したのかは明言されていません。これは本稿で書くべきなんですが、文章の勢いがなくなると思いここの脚注での説明となりました。ごめんなさい。が、しかし同時にそんなことは些細な問題と思っています。プレイヤーはBADENDだらけのこのゲームで何度もこの会話を聞いているんだから、否応にも思い出されます。そしてクリックしたら浩平君はもう走り出しているんです。この事実だけで十分です。 ↩︎
- 帰り道…
ん…?
帰り道を見ている気がするよ。
そう…?
うん。遠く出かけたんだ、その日は。
うん
日も暮れて、空を見上げると、それは違う空なんだ。いつもとは。 違う方向に進む人生に続いてるんだ、その空は。 その日、遠出してしまったために、帰りたい場所には帰れなくなってしまう。 ぼくは海を越えて、知らない街で暮らすことになるんだ。 そしていつしか大きくなって、思う。 幼い日々を送った、自分の生まれた街があったことを。 それはとても悲しいことなんだ。
ほんとうの温もりはそこにあるはずだったんだからね。
………
…それは、今のあなたのことなのかな
そんなふうに聞こえた…?
うん…
<以降カット>
1/6 の就寝後
日付は不明
↩︎ - この「現実性」もみよーに混ぜっ込まれていて。当然浩平君のボケっぷりはプレイヤーからの感情移入を妨害するレベルにムチャクチャだし、毎朝起こしに来る幼馴染に曲がり角でぶつかる転校生なんて王道すぎるフォーマットが根底にある。
それでいて浩平君は「長森」とか「七瀬」とか名字で呼ぶ。あの「右」「左」だって結局たいやき屋に着くことはないわけだ。容赦なく長森も忘れるし(別の子のルートで見るたびに毎回ショックを受けていた自分…。)。「ONE」のせかいは「ONE」の世界であり、現実では当然ないし、「現実」の対称として生まれる「虚構」でもないのです。「もう一つの世界」という強力なファンタジーが後ろにある世界で時折、妙に生々しい人間関係の不確かさが差し込まれているズレ。
ただの逆張りじゃなくて、この小さな「現実性」の積み重ねがシナリオの面白さの一助になってるのかもななんて深読みしてみたり。でもやっぱりただの逆張りかもね。 ↩︎ - 個人的にこういう主人公が大好きです。ランス君も大好き。人によっては全く受け付けないでしょうねw ↩︎
- この辺浩平君関係ない話になってる。書きたいこと書いてるだけ! ↩︎
- もしオレの人生で感謝しなくちゃいけない奴がいるとしたら、それは長森だろうな。
あのとき、あの幼い日々に長森と出会ってなかったらオレはどうなっていただろう。
あの日から一緒にいることが多いし、たまにはそのお節介が鬱陶しく思うときもある。
でも最後には感謝だ。
ずっといい友達でいてくれよな。
でも、あのときの言葉はどこに消えてしまったんだろうな。
オレを救ってくれたあの言葉は…。
長森 瑞佳 キャラクター紹介 ↩︎ - えいえんのせかいについての詳細な考察はこちらのサイト様が参考になります。
『ONE』~輝く季節へ~ 解題テキスト 「永遠の盟約」前段 (ゲーム考察系レビュー) by瀬川あおい
↩︎ - これは受け手にとっては奇跡に見えるだけで、実際には奇跡ではありません。えいえんのせかいは浩平が望んだから生まれたのであり、不要になったから消えるのは当然と言えるでしょう。
なぜ復活に一年といいう固定に近い期間が必要なのかは明言されていませんが、「輝く季節」、春を待っていたのかもしれません。大学受験直前に帰還するのは遠慮したんでしょう ↩︎ - 長森は事前知識なしの初見では当然無理だし、七瀬はカンニング、茜は左右問われるので、初見で行けるのはみさき先輩ぐらいでしょうね ↩︎